弥恵の「からだのかみさま」

東京→京都に移住したライター・弥恵(やえ)の日記です

私が一番好きな声

言葉は声には勝てないんだろうなあといつも思う。なんとなくでも聞いていたい声がいくつかあって、「また聞きたい」を繰り返すうちに好きになっていく。癖になることと、好きになることの違いは、前者にどこか背徳感があるなら、後者には爽やかさだけがある。好きが長続きするのは後者だ。心と身体が矛盾してないから。

 

自分を元気づけたいと思う時、いつも聴きたくなるのが田中真弓さんの声。言わずと知れた「ワンピース」のルフィ、ラピュタのパズーの声を当てている女優さんなのだけど、私、小学生〜中学生までセガサターンの「サクラ大戦」が大好きで、その中の桐島カンナ役で当ててた「強くて明るい姉御」になってる真弓さんの女役の声がたまらなく好きなんだよね。当時もいまも、聞いてるだけでふつふつ込み上げてくる懐かしさがあって、「声の母性なんだな」と今はわかる。

 

もっというと、真弓さんの歌声がめっちゃくちゃ好きなんだよね。「サクラ大戦2」のエンディング「夢のつづき」の中で、田中さんのパート

 

〜永遠の夢、優しく、歌となり心揺らす 思い出に寄り添う2人〜

 

このフレーズを歌うときの、色気、暖かさ、伸びやかさ、明るさ!! (特に2人のところ)ああっ、この人の少年声がしみるのは、母性の裏打ちがあるからなんだ、って気づかされる。と同時に、それが私の趣味なんだよなとも思う。母性と少年性が同居してるキャラクターとか、大好きだったもんな。ナウシカうる星やつらの弁天ちゃん、「サクラ」のカンナとかレニとか。どうにも野生で狂おしく暴発してしまう力を、内包し慰めるしなやかさ。

 

屋久島で出会ったナオちゃんもそんな人だった。彼女はブラジル生まれの日本人で、島でアウトドアガイドをしているのだけど、いつも地下足袋で山を走ってた。一度、島民だけが知る神様の山に連れて行ってもらったことがあって、早朝の森の中を歩きながらいろんなことを喋った。私はちょっとしんどいときだったから、悩みを打ち明けてたと思う。その時彼女がふっと

 

「そうなんだね」

 

と発語したときの「ね」の音が忘れられないんだよね。その「ね」の音だけで、心がすっと軽くなったのを覚えてる。前を歩くナオちゃんの背中から、「ね」って音がこちらに響いてきて、それはきっとナオちゃんのお腹とか子宮とか、温かなところから生まれた音で、まるでやんちゃな少年が、大人になる一瞬の魔法がかかったときのような声だった。

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そのときの登山。赤いのがナオちゃん

田中真弓さんはそういう声の人だよなあといつも思う。アニメ声優さんの声の多くは、癖になるかどうかに魅力がおかれているような気もするのだけど、彼女の声の「癖になる」は、変な中毒性がない。なんというか、むやみに誘うものを持ってないように感じる。ひたすら与えるような感じ。

 

実際のところなんてわからないけど、きっと身体にいい食事をなさってる方なのかなあ、なんて気がする。(キャラクターのイメージとかではなく(笑))。知りたいなー真弓さんの食生活。声と食には絶対関係があると思うこのごろ。食はお腹を作るし、身体を作るものね。なんか栄養価の高い声なんだよな。

 

PS、ちなみに「サクラ大戦」の「奇跡の鐘」(超名曲‼︎)の田中真弓パートも大好き(黒い服で小柄な人)。田中公平コンサートで歌ってるやつ、聞くたび涙が噴きこぼれる。「チャンバラブギ」とか「南風GOGO」もいいよね(TT)うっうっ

 

www.youtube.com

 

田中公平氏、某インタビューで 「今はyoutubeがあるから曲を広く海外に知ってもらえて嬉しいよね! あんま言ったらあれだけど笑」的なことサラッとおっしゃってるのでしれっと貼る)