弥恵の「からだのかみさま」

東京→京都に移住したライター・弥恵(やえ)の日記です

「アーヤってまめさんですよね?」

✳︎スタジオジブリ新作「アーヤと魔女」が今夜19時半〜放送

 

 

 

「あ、世の中にはこんな面白い人がいるんだ」

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たぶん私の人生で、最も衝撃だったのが、「まめさん」との出会いだと思う。

「まめさん」とは、鈴木家の長女。「耳を澄ませば」のカントリーロードの歌詞を書いた人(当時中学生!)でもある。

まめさんは、何事にも非常〜に具体的な人だ。

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例えば私が以前、「なんか昔から、目上の人に強く当たられがちで悩んでる」といったとき、彼女はすっぱりと

「そりゃ弥恵ちゃんは生意気顔だからねー!私もそうだからさ。自分から繊細アピールしといたほうが楽だよ」

と一言。まさか顔に原因があると思わなかったから、これには目からうろこだった。

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まめさんが小学生のころ、鈴木家は引越しを検討したことがあった。友人の面倒見がとてもいいまめさんは、

「たくさんの友達の集合場所を担っていた我が家が、引っ越すなんて!」と大反対。なんと、

家の電話をぶっこわしたという。(結果、引越しは中止)

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ちなみに私がまめさんを大好きになったエピソードをもうひとつ。

鈴木家に出入りしはじめたとき、お土産に「ぬれ煎餅」を持っていったことがあった。

しょっちゅうごちそうになっていたわりに、当時あまりお金を持っていなくて、苦し紛れに買っていったものだった。

まめさんはそれを見て一言「私これ嫌い、いらないよ」。

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お土産に「嫌い」とはっきり言える人をはじめてみた。この人はなんて率直な人なんだ!!

誰でもお土産には気を使う、特にもらうほうは。私なら、例えば嫌いなメロンを頂いても笑顔で頂いてしまう。

その瞬間、「あ。いらないものはいらないって言って良いんだ」と学んだのだった。

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まめさんエピソードは書いたらきりがない。息子さんが小学生に上がったばかりのころは

「わたし人見知りだからさー、保護者がたむろしてる廊下でずっとスマホ見てる!」なんて言ってたのに、

いまでは息子さんのお友達やそのご家族をおうちに呼んで楽しそうに遊んでいる。

FBにはいつも楽しそうな写真が上がっていて、テーブルにはまめさんが料理教室で学んだ料理が並んでいる。

苦手な「ママ友付き合い」を、自分なりに得意な分野で楽しんでいくのがまめさんだ。

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まめさんはとにかく何事も前向きに、かつ自分の創意工夫を凝らして

自分のフィールドに持ち込んで楽しんでいく人なのだ。

そのうえで、できないことはしないしやらない人だ。とてもはっきりしてる。

なんというか、戦時下でもしぶとく、かつ聡明に生き抜くような人。

自分の頭でしっかり考えて実践する人だ。

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まめさんはいつも人の相談を受けている。私もどれだけの相談をしてきたかわからない。

これだけ具体的ではっきりした人なのに、人の痛みにとても敏感で優しい人なのだ。

誰にも打ち明けられなかった悩みに、一緒に涙してくれたこともある。

どんな悩みも「まめさんになら」と思って話せてしまうのは、

まめさんが人をジャッジメントしない人だからだと思う。鈴木家親子はそういうところが似てる。

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前置きが長くなってしまった。そんなまめさんに、あるとき

「見て欲しい作品がある、まだ制作段階なんだけど、私とスタッフで声を当てるから、感想をほしい」と呼ばれて

見た作品が「アーヤと魔女」だった。

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私の感想はふたつで、

「いままでジブリにいなかったヒロイン、かつ新しい時代の主人公ですね!!!」

そして

「・・・アーヤってまめさんですよね?笑」

だった。笑

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そして私は、アーヤの制作にまめさんが関わっている理由を一瞬で理解したのである。