弥恵の「からだのかみさま」

東京→京都に移住したライター・弥恵(やえ)の日記です

「からだのかみさま」1周年 ぱふぱふー!

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ブログを始めたばかりのころ、橘美彩さんにいただいた刺繍

 

2月1日で、「からだのかみさま」を開設して1年になります。わああ、なんだかあっという間の1年だった。早かった。はじめは人に読ませることがもう怖くて怖くてしょうがなくて、一応10年ライターをやってるはずなのに、ライク・ア・バージンな気分でした。

 

だから当初はあんまり人のこなそうなブログサイトで書いていたりして、4ヶ月目くらいから、「もっと読んでほしい」って気持ちが湧いてきて、はてなブログに移行して。

 夏に米津くんと鈴木さんとラジオに出た時、米津くんが、昔やってた私のブログを読んでくれてたことを喋ってくれて、そこからまたバーっと読者の数が増えて。

刺繍作家の橘美彩さんが、文章からインスピレーション受けて刺繍を作ってくれたりもして(ぜひ彼女のインスタを見て欲しい!)。

夫はせっせとTwitterで告知してくれて(笑) 

一滴の雫が、ゆっくりと波紋のように広がってくのを実感できた1年でした。

 

はじめに、でも少し書いてるのだけど、私は書くことに対して、挫折というか、ぶっ壊れてた時期があって。20代半ば、それまで続けてたブログもSNSも全部辞めて、それから仕事以外では日記だけを書いて、誰にも文章を見せない、自分だけのための文章を書くことを5、6年くらいやっていたのだけど、今思えばそれは、最初の一滴の雫の純度を高く保つための訓練だったなと思う。

かつては、波紋の広がりばかりに気がいってしまって、肝心の雫を絞り切ることに、まるで気がいってなかったんだよね。それは食べていくため、認められるための焦りからくるものだったのだけど。

 

でも、6年間一人で紙に向かって、おまけに語り合う相手は草木とうさぎ(ポコちゃん)、みたいな仙人状態が続いていたら、もうそろそろ人里に降りて、誰かと話してみたい、私の話をどう感じるか、見てみたい、って気持ちが湧いてきて。日記と並行して、2年くらいは、夫と二人だけの閉じたSNSGoogle+でした)を初めて、まず対話をしつつ、フィードバックをもらう、っていうリハビリみたいなことをしてました。夫は長々感想をいうことはないんだけど、いつも「心が温かくなった」とか「悲しさが伝わった」とか、感情的な感想をくれるので、それがとても助かったりしてて。

 

で、そろそろ自分で書くことをはじめたいな、と考えてた矢先、昨年の1月10日に、夫と友人のしゅさんと一緒に米津玄師武道館ライブ2日目にいって、衝撃を受けた帰り、新宿のデニーズで「私、ぶぶブログを始めようと思う!」と宣言して(笑)、その後の2月1日に、ドキドキしながら書きはじめたのでした。それも、友人5人くらいに文章送りつけるっていう予行練習を重ねた末のことだったんだけど。なんてかこのブログでも散々米津玄師に触れてるのであれなんだけど、あのライブを観た時、「私も表現したい!」という強い衝動が湧いて、何かをこじ開けられた感じがあったのだった。書いてて思い出した。ありがとうございます。

 

ブログを始めてとても良かったのは、商業ライターとしての仕事と、自分が書きたい文章の折り合いをつけやすくなったこと。と同時に小説を書き始めたことで、「書くこと」そのものを分けられるようになってきた。ただ小説の方は、ほとんど格闘みたいな状態が続いていて、いわば登山に近いのかもしれない。仕事はひたすらバランスをとるカヌーで、ブログが息抜きを兼ねたピクニックなら、物語は思いっきりストイックで、高い山を登りつつ、もう半身で深海にも潜るような不思議な世界。手綱を握ってくれる編集Yさんとの出会いが本当に大きいなと思う。

 

ただ、ブログを書くことで、読んでくれている誰かの存在を感じるようになってから、「ねえもっと聞いて欲しいことがあるの」って思うこともすごく増えた。どんなに時間がかかっても納得いくように仕上げて、届けていきたいな、物語、と思う。そんなエンジンを、ブログを読んでくださってる人からいただいてるなと思います。ありがとうございます。

 

そうそう、いただくコメントや友人の反応なんかをみていると、このブログを読んでくれる人は、とにかく繊細な人が多いのかなということでした。私も、随分多くの人から絶滅危惧種扱いを受けてきたんだけど(笑)、繊細で、感じやすい心を、無責任に「大丈夫だよ」とは言えなくて。むしろ、この世界で繊細な設定でやっていくのはサバイバルじゃないですか。でもそれは殺伐とした野営戦みたいなものではなくて、案外アイデアを練ってやりくりすれば楽しくなってくる、いろいろ鍛えられて自分らしくやっていけるはずだとも思う。

 

だから、私は「大丈夫だよ」とは言えないけど、自分はこんな風に工夫してる、時々戦ってる、だけどこんなに美しい世界を見てる、そうやって体験してきたことを淡々と正直にここに置いて、好きに読んでもらうことで、「ああ、そういうやり方もあるのね」ってできたらいいな、と思っています。

 

そんなわけで今年はTwitterを開設してみた!7年ぶりくらいにやるんだけど、仕様が変わりまくっててびっくりした。こちらもよろしくお願いします。(チュッチュッ)